ソフトバンク・川﨑宗則はすごい。活躍の鍵となる「間」――建山義紀の「野球プロ目線」
メジャー帰りのメリットとデメリットとは
日米で違うのは「間」
まず、アメリカと日本では「間」が違います。
日本の場合は、球もちが良く足を高く上げるピッチャーが多いですが、アメリカのピッチャーの多くは投球フォームが速く、「間」がありません。ですから、日本のピッチャーに対してとっていたような足の上げ方、タイミングの取り方はアメリカではなかなか通用しない。ワールドベースボールクラシックでもみられましたが、足を上げているあいだに差し込まれてしまうわけです。
当然、川﨑選手もアメリカのピッチャーに対応するために――日本でやっていたような間がある投手に対して、足を上げて間を作るバッティングではなく――早めに打ち出す形を作り、ピッチャーを待つというバッティングフォームを作り上げてきていました。
このままの形で今度は日本のピッチャーに対峙するとどうなるかといえば、「前に出されてしまう」ということが起きてきます。早めに打ち出す形を作って待っているのですが、日本のピッチャーには「間」があり、球持ちが長いですから「体が早く前に出てしまい」、前に出た分だけ、スピードボールが速く感じ、変化球は泳がされてしまうわけです。
5年間積み上げてきたフォームを今度は「間」を取るものへと再びアジャストしなければいけないわけですが、これは簡単なことではありません。しばらくは試行錯誤の時間が続くのではないか、と思います。
それでも、冒頭に書いた通り、川崎選手の日本復帰はホークスにとって大きなプラスになるでしょう。プレーだけではない魅力をたくさんの方に見ていただきたいと思います。